便潜血検査(血便)とは
一般的な健康診断では、大腸がんの検査項目として便潜血検査を行います。便潜血検査は、便に含まれる微量の血液成分の有無を調べます。痔などの肛門部からの出血で陽性になることも多いですが、進行性の大腸がんの方の場合は約80%が陽性になる検査です。便潜血検査陽性となった方のうち、約30%に大腸ポリープが発見されるため、大腸疾患の早期発見のきっかけとして有効です。便潜血検査が陽性となった場合は、大腸がんがないか調べるために、大腸カメラ検査をお受け頂く必要があります。
大腸がんとは
がんによる死亡率のうち、大腸がん罹患者が上位にくるほど、大腸がんによる死亡者数が増えています。大腸がんは、初期症状がほとんどないため、発見が遅れることがあります。しかし、早期発見できれば心身の負担なく、また日常生活に支障なく完治が望める疾患です。大腸がんの早期発見のためには、大腸カメラ検査を定期的に受けることをお勧めしております。大腸カメラ検査が苦手な方でも、鎮静剤を用いた無痛検査もありますので、どうぞお気軽にご相談ください。
便潜血検査で陽性を指摘されたら
便潜血検査で陽性となった場合は、精密検査を行う必要があります。消化管からの出血がある可能性があるため、その原因を調べていきます。
造影剤を用いたX線検査
昔からある検査方法ですが、小さい病変は発見しにくく、また組織を採取し病理組織検査に出すこともできません。X線検査で異常が見られた場合、結局は大腸カメラ検査をお受け頂くことになるため、まずは大腸カメラをお受け頂くことをお勧め致します。
大腸カメラ検査で早期発見が可能
大腸カメラ検査では、大腸の全域を直接観察できます。また、検査途中で微細な病変を発見した場合は、その場で組織を採取して病理診断・確定診断が可能です。当院では、最新の内視鏡システムの導入と経験豊富な医師による検査を実施しております。また、検査途中でポリープを見つけた場合は、その場で切除手術を行います。患者さまの苦痛を最大限取り除くために、きめ細やかな配慮と無痛検査を実施しております。大腸カメラ検査が苦手な方も、どうぞお気軽にご相談ください。
便潜血陽性は身体の重要なサイン
便潜血検査陽性の結果が出た場合、身体からの重要なサインであると認識することで、適切な検査や治療を受けるきっかけとすることができます。特に、大腸ポリープや大腸がんは、早期発見・早期治療によって完治が可能な疾患です。便潜血検査陽性の結果を放置せず、早めに当院を受診してください。
便潜血検査陰性でも油断禁物
前がん病変の大腸ポリープがあっても、早期大腸がんであっても、場合によっては進行性大腸がんの場合であっても、便潜血検査陰性と結果が出ることがあります。このため、陰性の結果だからといって油断しないことが大切です。便潜血検査陰性の結果であっても、40歳を超えている場合は大腸がんの発症リスクが高いため、定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めしております。