胃潰瘍・十二指腸潰瘍

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは

胃潰瘍・十二指腸潰瘍とは胃酸によって、胃や十二指腸粘膜がただれて、深く傷ついてしまっている状態を胃潰瘍・十二指腸潰瘍と言います。主に、胸やけ・腹部の痛み・みぞおちの痛み・膨満感・食欲不振・貧血・黒色便などの症状が現れます。胃カメラ検査によって、胃や十二指腸粘膜を直接観察することで、容易に診断ができます。ピロリ菌感染の有無や止血処置・顕微鏡検査(病理検査)が可能なため、適切な治療を行うことができます。

症状

  • ゲップが増える
  • 胃やみぞおちに痛みが現れる
  • 空腹時の胃の痛み
  • 吐血
  • 黒色便
  • 吐き気
  • 呑酸
  • 貧血
  • 食欲不振
  • 体重減少

原因

主な原因は、ピロリ菌感染による胃炎や、ストレス、薬剤が原因となります。ピロリ菌に感染すると、胃や十二指腸粘膜に炎症をきたし、それが長引くことで粘膜が深く傷ついて発症します。その他、薬の副作用によるなどが考えられます。特に、非ステロイド系抗炎症薬(例:ロキソニンなど)は、粘膜保護を担う粘液を減少させてしまうため、胃酸によって潰瘍を起こすことがあります。

検査方法

造影剤を用いたX線検査

ある程度詳しく検査できますが、撮影時に角度を変えて何枚も撮るため、被ばくのリスクが高いとされています。胃カメラ検査時のような組織採取や、ピロリ菌検査などを同時にできません。当院では本検査はできません。

内視鏡検査胃カメラ検査

極細の内視鏡スコープを挿入し、食道・胃・十二指腸粘膜を直接観察します。また、何らかの異常を見つけた場合は、組織の一部を採取して病理検査に出すことが可能です。胃カメラ検査では確定診断が行えるため、早期の適切な治療が可能となります。当院では、患者様の苦痛を最小限に抑えた無痛胃カメラ検査も実施しております。最新の内視鏡システムと経験豊富な医師による安全性の高い検査を行っております。

治療方法

診察室胃カメラ検査時に、組織片を採取して顕微鏡検査(病理検査)に提出し、悪性の潰瘍ではないことを確認します。ピロリ菌感染陽性が判明した場合は、ピロリ菌除菌治療を行います。この際、胃酸分泌抑制剤を服用することで、症状を改善できます。また、病状によっては、胃粘膜の保護剤もお出しして胃粘膜を保護します。

ピロリ菌感染検査と除菌治療

まずは、ピロリ菌の除菌治療を行います。ピロリ菌は、胃粘膜の炎症を長期化させ、胃がんの発症リスクをもたらします。特に、慢性萎縮性胃炎・胃粘膜の萎縮・腸上皮化生は胃がん発生のリスクです。ピロリ菌を除菌することは、炎症や潰瘍ができるのを予防し、さらには将来的な胃がんの発生率をも低下させます。しかし、除菌できた後も、胃がんが発生しなくなるわけではないので、定期的に胃カメラ検査を受けることをお勧めしております。

ピロリ菌除菌治療は1週間の服薬のみ

ピロリ菌除菌治療は、飲み薬を朝夕食後に1日2回、7日間お薬を飲んで頂きます。ピロリ菌除菌治療に失敗した場合は、2回目用のお薬をお出しします。2回目の治療までは健康保険適用で除菌治療を受けることができます。胃潰瘍・十二指腸潰瘍の主な原因はピロリ菌感染とされているため、除菌治療によって再発予防が可能となります。

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